バランスシートの作り方講座

ファイナンスの話
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バランスシートを作るには

以前にバランスシートの作り方の記事を書いたのですが、そこでは2件の家庭のバランスシートを作り比較してみました。

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今回は、バランスシートの作り方をもう少し詳しくお話していこうと思います。

私は仕事柄様々な数字を扱ったり分析したりしていて、頭の中でいつも数字を仕分けする癖がついてしまっています。その数字は、ビジネスでの売り上げ、経費に関する数字だったり、家計での収入、支出に関する数字だったりします。

まずバランスシートを作るには、今から分析しようとする色々な数字がどのカテゴリーに分類されるべきなのかを考える必要があります。

バランスシートのカテゴリー

バランスシートは3つの大きなカテゴリーに分けられます。

1.資産(Asset)

2.負債(Liabilities)

3.純資産(Equity)

式で表すと、

総資産 = 負債 + 純資産

図で表すと下のの図のようになります。

この図からわかるように、総資産は負債と純資産に分けられます。負債と純資産の合計はいつも総資産と等しくなります。

バランスシートの組み立て方

今回は、比較的シンプルな家計の例を使って、バランスシートの組み立て方を詳しく解説したいと思います。

データは全て架空のものです。

A家族の資産と家計状況 

下の表は、A家族の家計状況を表しています。右端の”バランスシートの分類”のコラムには、それぞれの項目がバランスシートのどのカテゴリーに分類されるかを示しています。”N/A”は、バランスシートには反映されない項目です。

それぞれの項目と、それがどのように分類されるかみてください。

番号項目金額バランスシートの分類
持ち家(購入価格)$500,000N/A
持ち家のローン (残り25年)$300,000負債(長期)
3持ち家の市場価格$600,000総資産
車 (購入価格)$30,000N/A
車のローン(残り2年)$15,000負債(長期)
車の市場価格$25,000総資産
普通預金/現金$30,000総資産/純資産
定期預金(満期1年以上)$20,000総資産/純資産
9クレジットカード残高 (1年以内の返済)$3,000負債(短期)
10長期投資$100,000総資産/純資産

負債

まず一番わかりやすい項目は、負債に分類されるものだと思います。

上のテーブルでは、2番(持ち家のローン)、5(車のローン)と9番(クレジットカード残高)が負債になります。また、それぞれを短期と長期に分けました。基本的に、1年以内に返済するものが短期負債、返済期間が1年以上のものが長期負債になります。

総資産

次に総資産を分類しましょう。

総資産は預金などの残高、投資や不動産などの市場価格で表されます。市場価格とは、物やサービスが実際に市場で取引されている価格のことです。

ここのデータで総資産に当てはまるのは、3番(持ち家)、6番(車)、7番(普通預金)、8番(定期預金), 10番(長期投資)です。

総資産も、短期と長期に分けておきます。必要な時にすぐに現金化できるものを短期、1年以上資産として保有しておくものを長期とするのが一般的です。

純資産

純資産はそれぞれの項目の総資産額から負債部分を差し引いた金額で表します。

まず、7番(普通預金)、8番(定期預金), 10番(長期投資)が純資産に該当します。それに加えて、車と持ち家の負債を除いた残高も含めます。

資産の購入価格

資産の購入価格は、基本的にはバランスシートに含めることはありません。上のテーブルには車と持ち家の購入価格が含まれていますが、購入価格と市場価格が同じでない限り、購入価格はバランスシートにいれないのでN/Aにしています。

各項目を分類する

下の表で、それぞれの項目をバランスシートのカテゴリーに分類して書き直してみました。

総資産

負債と純資産

番号項目金額
3持ち家の市場価格$600,000
6車の市場価格$25,000
7普通預金(現金)$30,000
定期預金(満期1年以上)$20,000
10長期投資$100,000
総資産 合計$775,000
番号項目金額
負債2持ち家のローン (残り25年)$300,000
5車のローン(残り2年)$15,000
9クレジットカード残高 $3,000
負債 合計$318,000
純資産3-2持ち家*$300,000
6-5車*$10,000
7-9普通預金**$27,000
8定期預金(満期1年以上)$20,000
10長期投資$100,000
純資産 合計$457,000
負債と純資産の合計$775,000

この表で、いくつかの注意点があります。

まず、純資産の項目で”持ち家”と”車”の純資産が、それぞれの市場価格とローン残高の差額で表されています。これは、もしその資産を売却すると売り上げからローンの残高を支払う必要があるので、手元に残る金額が純資産になるという意味です。

二つ目の点は、純資産の普通預金の額が$27,000になっているということです。ここでは、負債にあるクレジットカード残高が普通預金から減額されています。この$3,000は、1年以内に普通預金から支払われるということを想定して、普通預金額から$3,000を減額する必要があります。

このような調整をすることによって、左の総資産合計と右の負債/純資産の合計が等しくなります。

各項目を短期と長期に分けて完成させる

それでは、前のセクションで分類した項目を短期と長期で分けて、バランスシートを完成させてみましょう。

総資産番号項目金額負債と純資産番号項目金額
短期資産7普通預金/現金$30,000短期負債9クレジットカード残高$3,000
短期資産 合計$30,000短期負債 合計$3,000
長期資産6$25,000長期負債5車のローン(残り2年)$15,000
3持ち家$600,0002持ち家のローン(残り25年)$300,000
8定期預金(満期1年以上)$20,000長期負債 合計$315,000
10長期投資$100,000負債合計$318,000
長期資産 合計$745,000
総資産合計$775,000純資産7-9普通預金/現金$27,000
8定期預金(満期1年以上)$20,000
10長期投資$100,000
6-5$10,000
3-2持ち家$300,000
純資産合計$457,000
負債と純資産合計$775,000

このバランスシートから、A家族の総資産は$775,000、負債額$318,000、そして純資産が$457,000ということがわかりました。

バランスシートを作ることによって様々なレーシオを計算することができ、それらを使って家計がどれほど健全かリスクが大きいのかを分析することもできます。

一つ例を挙げると、負債/純資産の割合(debt to equity ratio, D/E ratio)があります。

A家族の負債/純資産の割合は、約0.7となっています。D/E ratioが1.0以下の場合、負債が純資産より少なく、いざという時には純資産で負債をカバーできると分析できます。

逆にD/E ratioが1.0以上の場合は、純資産で負債をカバーできないのでよりリスキーな家計状態という分析になります。

バランスシートから計算できるレーシオについては、別のブログでお話ししますね

最後に

今回は、少し踏み込んでバランスシートの組み立て方を解説してみました。いかがでしたか?是非皆さんの家計のバランスシートを作ってみてください。

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